音感アプリを一通り試したことがある人ほど、同じところで止まります。「ドとミ」「ドとソ」は当てられるようになった。それなのに、曲を聴いてもメロディが取れない。
原因は練習量ではなく、練習している対象がずれていることにあります。多くの音程当てクイズが鍛えるのは「2つの音の距離を数える力」ですが、実際の音楽で必要なのは「いま鳴っている音が、この調の中で何をしているか」を聴き取る力です。
その一点に絞った相対音感トレーニングアプリ 「TONARIO:相対音感トレーニング」 を、App Storeで公開しました。
▶ App Storeで見る(1,500円・買い切り) | 製品ページ:TONARIO
📌 TONARIOの3行まとめ
① 主音をつねに移動ドの「ド」として扱い、音を「距離」ではなく役割(機能)で聴く
② キー・音色・音域が変わり続ける出題設計。「この高さがド」という暗記では正解できない
③ ドローン → カデンツ → メロディ → 短調 → トニック探しの28ステージで段階的に進む
音程を数えると、なぜ行き詰まるのか
「ド→ミは長3度」と覚える練習を続けると、たしかに2音間の距離は当てられるようになります。ところが曲を聴くときに起きているのは、こういうことです。
- 音は次々に流れていくので、1つずつ距離を計算する時間がない
- 距離が分かっても、その音がどこへ向かいたいのかは分からない
- 同じ「長3度」でも、調の中の位置が違えば聴こえ方はまったく違う
音楽の中で音が持っているのは、距離ではなく方向です。シ(7)はドへ帰りたがり、ファ(4)はミへ落ちたがり、ソ(5)はどっしり構えている。この「帰る場所からの引力」を聴き分けられるようになると、メロディは1音ずつ計算する対象ではなく、流れとして読めるものに変わります。
移動ドで「ド」を毎回作り直す
TONARIOは、どのキーであっても主音を「ド」と呼びます。キーがF♯でも、その主音が「ド」です。固定ドで育った方には最初だけ違和感がありますが、これは表記の好みの問題ではなく、練習の対象を決める設計判断です。
| 呼び方 | 何を覚えるか | 転調・移調に |
|---|---|---|
| 固定ド | 音の絶対的な高さと名前 | 追従しない(読み替えが必要) |
| 移動ド | 調の中での役割(度数) | そのまま使える |
耳コピでも、歌でも、アドリブでも、必要なのは「キーが変わっても通用する耳」です。移動ドは、そのための最短の言語になります。
暗記が効かないように出題する
音感アプリで起きがちな失敗があります。Cメジャー固定で練習すると、音の高さそのものを覚えてしまう。正答率は上がるのに、実際の曲では使えない。これは相対音感ではなく、部分的な絶対音感の暗記です。
TONARIOはそれを構造的に防いでいます。
- キーは最初のステージからブロックごとに変わる(Cメジャー固定のステージは1つもありません)
- 上級ステージでは1問ごとにキーが変わる
- 音色は矩形波・ノコギリ波・サイン波・弦・ピアノの5種類からランダム
- 出題音はオクターブ上下にもシフトする
キーも音色も音域も変わり続けるので、「この周波数がド」「この響きがソ」という手がかりは残りません。残るのは主音との関係だけ、という状況を意図的に作っています。
28ステージの構成
5つのレッスン、28ステージで進みます。
| レッスン | 内容 | 主な条件 |
|---|---|---|
| Lesson 1(8ステージ) | ドローンの上で1音ずつ増やす。ド・レから7音すべてへ | 制限時間なし、音色はステージごとに変化 |
| Lesson 2(6ステージ) | I–IV–V–Iのカデンツだけを手がかりに調をつかむ | 5秒の制限時間、キーはブロックごと |
| Lesson 3(4ステージ) | 音域2オクターブ、キー毎問ランダム、音色フルランダム、2.5秒 | 実戦条件 |
| Lesson 4(5ステージ) | 2音の順次進行から8音フレーズの書き取りへ | 再生は2回まで、リズム崩しあり |
| Lesson 5(5ステージ) | ♭7、♯4、短調、V7→i、トニック探し | ダイアトニックの外側 |
Lesson 1で使うドローンは、主音を鳴らし続ける持続音です。基準がずっと鳴っている状態で各音を聴くので、「ドから何番目か」ではなく「ドに対してどんな色か」を確かめられます。Lesson 2でドローンをカデンツに置き換えると、基準は最初の数秒だけになります。ここが最初の壁で、以降は自分の中に調の中心を保ち続ける練習になります。
Lesson 5の最終ステージ「トニック探し」では、自動生成された楽曲を聴き、その曲の「ド」を12択から当てます。度数を答えるのではなく、調そのものを見つける課題です。耳コピの最初の一手が、まさにこれにあたります。
出題アルゴリズム
反復練習は、放っておくと「作業」になります。TONARIOの出題は次のルールで組み立てています。
- そのステージで新しく加わった音にシェア35%を割り当てる
- 直近の成績から弱点と判定された度数は重み2倍
- 直前と同じ度数は出題しない(3音以上のプールの場合)
- 3連続の順次進行を禁止する(ド→レと来たらミを出さない)
3つ目と4つ目は、答えを推測されないための処理です。音階順に並ぶと「次はミだろう」と当たってしまい、聴かずに正解できてしまいます。
メロディ課題のフレーズも自動生成で、開始音と終止音は1・3・5へ寄せ、跳躍のあとは7割の確率で反行し、シ(7)の後は80%でド(1)へ解決します。ランダムな音列ではなく、音楽として自然に聴こえる並びを作るための重み付けです。
誤答したときに、解決を聴かせる
間違えたときに「不正解」とだけ表示しても、次に活きません。TONARIOでは誤答時に、選んでしまった音が安定音へ解決していく流れを聴かせます。ファ→ミ、シ→ド、レ→ドといった動きです。
度数の名前を覚え直すのではなく、その音が持っている方向をもう一度耳で確かめるための処理です。音の役割は説明で分かるものではなく、解決を聴いて初めて腑に落ちます。
音はすべて端末内で合成する
出題音、ドローン、カデンツ、生成された楽曲まで、すべてAVAudioEngineを使って端末内で合成しています。音源ファイルは持っていません。
- 加算合成による5音色(矩形波・ノコギリ波・サイン波・弦・ピアノ)
- 44.1kHzステレオのバッファをオフラインでレンダリングしてから再生
- 出力段にソフトリミッターを常時挿入
音色を実行時に生成しているため、キーと音色の組み合わせを無制限にランダム化できます。素材を持つ設計だと、組み合わせの数がそのままアプリの容量になってしまいます。
記録は「どの音が苦手か」まで見せる
正答率だけでは、次に何をすればいいか分かりません。TONARIOは3種類の記録を残します。
| 記録 | 分かること |
|---|---|
| 度数別ヒートマップ | どの音(度数)で間違えているか |
| 反応時間の推移 | 考えて答える段階から、直感で答える段階へ移れているか |
| キー別正答率 | 特定のキーだけ弱い=音高そのものを手がかりにしている可能性 |
キー別正答率は、暗記に頼っていないかを自分で検算するための指標です。特定のキーだけ成績が良ければ、それは相対的に聴けているのではなく、そのキーの音を覚えている可能性があります。
さらに「音の手帳」には、各音から感じた印象を自分の言葉で記録できます。「ラは少し浮いている感じ」「ファは重い」——教科書の言葉より、自分でつけたラベルのほうが、聴くときに早く出てきます。
端末内で完結する
アカウント登録なし、広告なし、アクセス解析なし、クラウド同期なし。学習進捗、設定、音の手帳は端末内にのみ保存されます。マイク権限も要求しません。主な学習機能はオフラインで利用できます。
細かな音程差を聴き分ける練習のため、イヤホンまたはヘッドフォンの使用を推奨しています。
製品概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | TONARIO:相対音感トレーニング |
| 提供開始 | 2026年8月 |
| 対応OS | iOS 17.0以降 / iPadOS 17.0以降 |
| 価格 | 1,500円(買い切り・追加課金なし) |
| 対応言語 | 日本語・英語 |
| カテゴリ | ミュージック/教育 |
| 配信 | App Store |
| 開発・提供 | 株式会社Code and DESIGN |
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Code and DESIGN(Code and DESIGN inc.) |
| 代表者 | 代表取締役 中島安彦 |
| 事業内容 | iOSアプリ・ゲーム・Webサービスの企画・開発・運営、受託開発 |
| Webサイト | https://code-and-design.jp/ |
| App Store | 開発者ページ |
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音を数えるのをやめて、役割として聴く。その切り替えが起きる瞬間まで運べるように、TONARIOを育てていきます。ご意見・ご要望はお問い合わせからお寄せください。

