工場の自動化を題材にしたゲームは、たいてい「研究」で進みます。研究所に素材を納め、ツリーを埋めると、新しい機械の作り方が一度にいくつも手に入る。わかりやすい仕組みですが、ツリーを眺めているうちに、自分がなぜその機械を作っているのかを見失いがちです。
私たちが作ったのは、研究所のない工場ゲームです。無人島に流れ着いた技術者が国を名乗り、海の向こうの取引先から届く注文書に応えながら、ひとりで工場を育てていく。そんな2D工場ゲーム 「ポートリア(Portoria)」 を、App Storeで公開しました。
▶ App Storeで見る(500円) | 製品ページ:ポートリア
📌 ポートリアの3行まとめ
① 無人島に国を興し、採掘機・ベルト・組立機で工場を組んで、できた品を港から船で海外へ売る2D工場ゲーム
② 技術は研究ツリーではなく、取引先から1通ずつ届く全28通の注文書で解放される。敵も戦闘も時間切れもない
③ iPhone・iPad対応、買い切り500円。広告なし、アプリ内課金なし、通信なしで遊べる
人口1人の国、という前提
ポートリアでは、国民は最初から最後まであなた1人です。仲間は増えませんし、敵も来ません。だから採掘も加工も運搬も、機械に任せるしかない。この前提が、ゲームの手触りをほとんど決めています。
最初は鉱石を長押しして手で掘り、石の炉で鉄板を焼きます。手作業は最後まで禁止されていません。ただ、組立機なら同じ組立作業が100倍速いので、自然と任せたくなります。採掘機を鉱床に据え、ベルトで炉へ運び、インサータで出し入れさせる。そうしてラインがつながると、自分が島の反対側を歩いているあいだも、工場は止まらずに品物を作り続けます。
研究ツリーの代わりに、注文書を
技術の解放は、取引先から届く注文書に任せました。全28通で、1通納めるたびにレシピが1〜2個解放され、次の手紙が届きます。一度に時代がまるごと進むことはありません。
最初の差出人は、島まで送ってくれた船長マルコです。
建国祝いに、最初の仕事だ。この船に使う金具を作ってくれないか。まずは材料だ。鉄鉱石と石を掘ってくれ。
差出人はその後、沿岸運輸組合、機材商、無線商会、建設会社、沖合研究所、工業連合、そして軌道機構へと移っていきます。国の人口は増えないまま、取引先だけが増えていく。「なぜこの機械を作るのか」を、いつも誰かの依頼として示したかったのです。
注文の中身も、量だけを求めるものにはしませんでした。たとえば沖合研究所は、回路を買い足しながら作る工場ではなく、鉱床から回路までが1本のラインでつながっていることを求めてきます。依頼を読めば、次にどんな工場を組むべきかがわかるようにしています。
本編とは別に、港では継続注文を最大3件まで並行して受けられます。最終的な目標は累計$1,000,000の稼ぎで、達成後も島はそのまま遊び続けられます。
転売では、必ず損をする相場
港は品物を売る場所であり、買う場所でもあります。鉱床が枯れても、稼いだお金で鉄板を輸入すればラインは止まりません。一方で、相場は売り買いに反応します。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 輸出 | 売るほど値が下がる。下限は基準価格の40%。時間がたつと戻る |
| 輸入 | 基準価格の2倍から。買うほど上がり、上限は8倍 |
| 借金 | なし。お金が尽きれば輸入が止まるだけ |
輸入価格は必ず輸出価格より高くなるので、同じ品を買って売れば必ず損をします。これは意図した設計です。相場の歪みを突く遊びではなく、儲けは加工の中にしかないゲームにしたかったからです。鉄鉱石は1個$1、焼いて鉄板にすれば$3、その先は電子回路$25、ラジオ$200、コンピュータ$2,500と、ラインを伸ばすほど価値が上がり、最後の人工衛星は$200,000になります(いずれも基準価格)。
取引国は3つあり、市場はそれぞれ独立しています。
| 取引国 | 片道の航海 | 好み |
|---|---|---|
| 沿岸連合 | 30秒 | 最初から取引できる。何でも基準価格で買う |
| ノルド工業国 | 150秒 | 原料と部品を高く買う(×1.2)。完成品は安い |
| メリディア共和国 | 300秒 | 完成品を高く買う(×1.3)。市場が厚く値崩れしにくい |
ある国で値崩れさせても、ほかの国の相場は動きません。遠い国ほど航海は長く、売上が船で戻るまで時間がかかります。累計の稼ぎで国の格が上がると政策の枠が増え(最大3枠)、素材輸出奨励・製品輸出奨励・関税協定・港湾拡張・高速船団の5つから選べます。枠より政策のほうが多いので、どれを選ぶかで工場の方針が変わります。
夜が来ると、電力が試される
島の1日は8分です。夜になると画面は青く沈み、ソーラーパネルは発電を止めます。工場を止めたくなければ、蓄電池を置くか、蒸気発電を組むしかありません。電力網は使いすぎるとブラウンアウトするので、設備を増やすたびに発電も見直すことになります。
昼夜は見た目の演出にとどめず、工場の設計に効く要素にしました。全12曲のオリジナルBGMも、工場の発展段階に合わせて移り変わります。
指で敷くベルト
操作は、マウス前提のゲームにボタンを足したものではなく、タッチのために作りました。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| なぞる | ベルトを続けて敷く |
| タップ | 置く/設備を開く |
| 長押し | 掘る/撤去する(建設中は効かない) |
| スティック | 触れた場所が中心になる |
| 2本指 | ズーム |
スマートフォンでは画面の形に合わせてUIが切り替わります。工場ゲームで一番多い操作はベルトを敷くことなので、指でなぞった線がそのままベルトになるようにしています。
広告なし、課金なし、通信なし
ポートリアは買い切りのゲームです。広告もアプリ内課金もありません。島の生成もシミュレーションもセーブも端末の中で完結し、通信が発生するのはゲーム内からプライバシーポリシーを開いたときだけです。3分ごとのオートセーブと5つのセーブ枠があるので、何時間もかけて組んだ工場が消える心配はありません。
島の地形はシード値から生まれるので、同じ値を入れれば同じ島でやり直せます。タイル・設備・アイテムは、すべて描き下ろしのドット絵です。
動作環境と価格
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応 | iPhone・iPad(iOS 15以降)。Mac版・Android版は審査中 |
| 価格 | 500円(買い切り)。広告なし、アプリ内課金なし |
| 規模 | 注文書28通+継続注文、設備30種、アイテム52種 |
| 言語 | 日本語、英語 |

