9月にMac版を出したレトロゲームエミュレーター 「emu」 の、iPhone版をApp Storeで公開しました。App Storeでの名前は 「エミュー:レトロゲームエミュレーター」(英語では「emu: Retro Game Emulator」)です。無料で使えます。

▶ App Storeで見る(iPhone・無料) | 製品ページ:emu | 製品サイト:utaverse.tokyo

emuは、ファミコンの世代からゲームキューブ・PlayStation 2・PSPまで、17種類のゲーム機のバックアップを1つのライブラリで遊ぶためのアプリです。機種ごとに別のアプリを入れたり、追加のコアをダウンロードしたり、設定ファイルを書いたりする必要はありません。この記事では、iPhone版の実際の画面を使って、使い方と、買う前(入れる前)に知っておいてほしい制限を紹介します。

📌 emu iPhone版の3行まとめ
① 17機種のバックアップを1つのライブラリに。機種はファイルの中身から自動判定、ZIP・7zのままでも読み込める
② 画面パッドは斜め入力と指すべりに対応し、位置も調整できる。REWINDの長押しで直前の数秒を巻き戻し
③ 2台のiPhone(またはiPhoneとMac)で2人対戦。相手はソフトを持っていなくてよい。無料(バナー1つ、買い切りで非表示)

画面の見方:ホーム、ライブラリ、プレイの3つ

記事の最初の画像は、左からホーム、ライブラリ、プレイ中の画面です(画面に並んでいるのは撮影用に用意した架空のタイトルで、プレイ画面は撮影のために作ったオリジナルのデモです)。

emu iPhone版のホーム画面とライブラリ画面。左のホームには「ゲームを追加」「友だちと2人で遊ぶ」と、NES・SNES・GB・GBA・PS・PSP・N64・MDなど機種ごとのタイル、右のライブラリには検索欄と機種で絞り込むボタン、ゲームの一覧が並んでいる

画面できること
ホーム「ゲームを追加」でファイルを読み込む。「友だちと2人で遊ぶ」からオンライン対戦へ。機種ごとのタイルには、その機種のゲームの本数が出る
ライブラリ名前で検索し、ALL・FAV・NES・SNES…のボタンで機種を絞り込む。よく遊ぶゲームにはハートを付ける
設定広告の非表示、オンライン対戦の「なめらかさ」、サウンド、触覚フィードバック、整数倍スケーリング、巻き戻し、ゲーム画面の上下位置、ゲームコントローラーの割り当て、BIOSの読み込み

読み込みは3ステップ。機種は選ばない

使い始めるまでの手順は3つです。

  1. ご自身が所有するソフトのバックアップを、iPhoneの「ファイル」から選ぶ
  2. 機種はファイルの中身から自動で判別されるので、選ぶ必要はない
  3. ライブラリに並んだゲームをタップすれば、すぐ始まる

ファイルは ZIPや7zに入ったまま でも読み込めます。CUEとBINが分かれていても一緒に選べばよく、CUEの中に書かれたファイル名が実際のBINと食い違っている場合は、取り込むときに直します。大きなディスクイメージも、メモリに展開せずにアプリの中へ取り込みます。

同じソフトを別の名前で入れたり、ZIPと展開後のファイルの両方を選んだりしても、CRCとサイズで同じものだと判断し、ライブラリには1本だけ並びます。

主な対応形式は次のとおりです。

種類拡張子
カセット.nes / .sfc / .smc / .gb / .gbc / .gba / .md / .gen / .sms / .gg / .pce / .sgx / .ngp / .ngpc / .ws / .wsc / .n64 / .z64 / .v64
ディスク.cue + .bin / .iso / .chd / .cso / .pbp / .elf / .gcm / .isz / .mds

画面パッドは、親指の位置に合わせて動かせる

emu iPhone版のプレイ画面と設定画面。左のプレイ画面には、ゲーム画面の下に十字キー、X・Y・A・Bボタン、SELECT・START、下端にREWIND・SAVE・LOAD・DATAが並ぶ。右の設定画面には、広告の非表示、オンライン対戦のなめらかさ(なし・弱・中・強)、サウンド、触覚フィードバック、整数倍スケーリング、巻き戻し、画面の上下位置のスライダーがある

iPhone版の操作の中心は、画面上のパッドです。マルチタッチに対応していて、十字キーは斜めも入力でき、ボタンからボタンへ指を滑らせたまま押し替えられます。

縦持ちではパッドを画面の下に、横持ちでは画面をはさんで左右に置きます。手の大きさに合わせて、設定でパッドの高さと、横持ちのときの左右のボタンの間隔を変えられます。ゲーム画面の上下位置もスライダーで調整できます。

セーブは自動で。失敗は長押しで巻き戻す

プレイ画面の下端には、REWIND・SAVE・LOAD・DATAの4つのボタンがあります。

ボタン働き
REWIND長押しすると、直前の数秒を巻き戻す。落ちたジャンプをもう一度やり直せる
SAVEその瞬間の状態をクイックセーブする
LOADクイックセーブした状態に戻る
DATAその場で、ゲームの状態とゲーム内のセーブデータを書き込む

ゲーム内のセーブとメモリーカードのデータは、30秒ごとと、アプリがバックグラウンドに移るとき、終了するときに自動で保存されます。巻き戻しは設定でオン・オフでき、切り替えは次にゲームを開いたときから有効になります。

ゲームパッドは、つなぐだけ

emu iPhone版のオンライン対戦とボタン割り当ての画面。左は「このコードを相手に伝えてください」と6文字のコードが表示され、準備・相手待ち・接続の進み具合と「コードをコピー」「待っているあいだ1人で遊ぶ」のボタンが並ぶ。右はゲームパッドのボタン割り当てで、B・A・Y・X・L・R・ZL・ZR・SELECT・STARTに下ボタン・右ボタンなどの物理ボタンが割り当てられている

BluetoothやUSBのコントローラーは、つなぐと自動で認識されます。ボタンはメーカーの印字ではなく 位置 で対応付けるので、別のコントローラーに持ち替えても同じ配置で遊べます。

割り当てを変えたいときは、設定の「ボタン割り当て」で変えたい行をタップし、コントローラーのボタンを押すだけです(右の画像)。すでに使っているボタンを選ぶと、前の割り当てと自動で入れ替わります。1P/2Pの割り当ては保持され、スティックの遊び幅も調整できます。コントローラーをつないでいても、画面のタッチは同時に効きます。

2台のiPhoneで、2人対戦

emuには、2人用のゲームをインターネット越しに遊ぶオンライン対戦があります。

  1. ホストになる人が、遊びたいゲームでオンライン対戦を始める。6文字のコードが表示される(左の画像)
  2. コードを相手に伝える。相手は自分のemuにコードを入力して、2Pとして参加する
  3. 相手が参加するまでは、「待っているあいだ1人で遊ぶ」で1人で遊びながら待てる

参加する側は、ソフトを持っていなくても構いません。ゲームを動かすのはホストの端末だけで、参加する側には映像と音が届き、操作だけを送り返します。

項目内容
対象の機種NES、スーパーファミコン、PlayStation、セガサターン、NINTENDO 64、メガドライブ、マスターシステム、PCエンジンの2人用ソフト
相手の端末iPhone、またはMac版emuのMac
つながり方2台が直接つながる。プレイの中身はサーバーを経由しない
操作の重さの調整設定の「なめらかさ」(なし・弱・中・強)。「なし」がいちばん反応が速い

サーバーが仲介するのは、2台が互いを見つけるための接続の手順だけで、その記録はつながった時点で消えます。サーバーを経由する中継の経路は使わず、接続後に実際の経路を確かめて、中継になっていれば切断します。そのため、両方の回線の条件によっては直接つながらないことがあります。

必要なものは、機種ごとに違う

ゲームソフトもBIOSも、アプリには含まれていません。アプリの中から入手することもできません。ご自身が正規に所有するソフトのバックアップをお使いください。

区分機種
ソフトだけで動くNES、スーパーファミコン、ゲームボーイ/カラー、メガドライブ、マスターシステム、ゲームギア、PCエンジン、ワンダースワン/カラー、NINTENDO 64、ゲームキューブ、PlayStation 2、PSP
実機から吸い出したBIOSも必要PlayStation、セガサターン、ゲームボーイアドバンス、ネオジオポケット/カラー
3つのファイル(MCPX ROM・対応するFlash BIOS・HDDイメージ)が必要Xbox(上級者向けの実験的な対応。市販機そのままのFlash BIOSでは起動しない)

動作速度について、先に書いておくこと

iPhoneのアプリは、実行中に自分でコードを生成して実行する方式(JIT)を使えません。そのためemuのiPhone版は、すべての機種をJITなしで動かしています。

ファミコンやゲームボーイのような機種では問題になりにくい一方で、負荷の高い ゲームキューブ、PlayStation 2、Xbox、セガサターンは実験的な対応 です。どれだけ快適に動くかは、タイトルとiPhoneの機種によって差があり、特定のソフトが快適に動くことはお約束できません。新しいiPhoneほど有利です。

Macでは事情が違い、Mac版emuはゲームキューブ・PlayStation 2・NINTENDO 64をApple Silicon向けのネイティブ再コンパイラで動かしています。この違いはMac版のリリース記事と、エミュレーターの「ネイティブ対応」とはで詳しく説明しています。

Mac版との違い

iPhone版とMac版は、ライブラリ・読み込み・セーブ・コントローラー・オンライン対戦の仕組みを共有していますが、App Storeでは別のアプリです。

項目iPhone版Mac版
価格無料(バナー1つ。買い切りのApp内課金で非表示)買い切り1,000円(広告・App内課金なし)
動作環境iPhone、iOS 17以降Apple Silicon Mac(M1以降)、macOS 14以降
操作画面パッド、ゲームパッドキーボード、ゲームパッド
巻き戻しあり(REWINDを長押し)なし
7zの読み込みできるできない(ZIP、CUE+BIN、生のファイルは可)
負荷の高い機種JITなしで動作。ゲームキューブ・PS2・Xbox・サターンは実験的ゲームキューブ・PS2・N64をネイティブ再コンパイラで動作
オンライン対戦iPhone・Macの相手と対戦できるiPhone・Macの相手と対戦できる

iPhone版のバナーを消すApp内課金は、Mac版には引き継がれません。Mac版は、はじめから広告のない買い切りのアプリです。

動作環境と価格

項目内容
App Storeでの名前エミュー:レトロゲームエミュレーター(英語:emu: Retro Game Emulator)
対応iPhone、iOS 17以降
価格無料。バナーが1つ表示され、インターネット接続が必要。買い切りのApp内課金でバナーを非表示
言語日本語、英語
組み込んでいるエミュレーターares、PPSSPP、Mupen64Plus、Dolphin、xemu、Play!、Yaba Sanshiro など(オープンソース。ライセンス表示とソースコードへのリンクはアプリの「設定 > ライセンス」)

記載の会社名・製品名は各社の商標または登録商標です。emuは、いずれのハードウェアメーカーとも関係がなく、承認・提携・後援を受けたものではありません。

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