「私が遊べるゲーム、作ってよ」——ある日、母にそう言われたのが始まりでした。この記事では、その一言から生まれた自動生成クロスワード 「クロスワードGo」 を、どんな課題を、どう設計で解いたかという視点でご紹介します。これから何かを作ろうとしている発注をご検討中の方に、「どんな発想で、どんなものを作る会社なのか」を知っていただく読み物です。
📝 このゲームの特徴
① 約1万語のデータベースから、問題を毎回自動生成。だから“無限”に遊べます。
② ゲーム『ペルソナ5』を参考にした、赤×黒のスタイリッシュなUI。
③ 文字は大きく、判定はやさしく。スマホが得意でない人でも遊べる設計です。
「母が遊べない」を、ひとつずつ潰した
母はスマホは縦持ち、難しい操作は苦手。でも頭は使いたいタイプで、クロスワードや脳トレが大好きです。そこで世の中のクロスワードアプリを一緒に触ってみると、こんな“遊べない理由”が次々に出てきました。
- 「問題が終わったら、もう遊べないの?」(収録された問題を解き切ると終わってしまう)
- 「字が小さくて読めない」
- 「広告が多くて、どこを押せばいいか分からない」
- 「なんだか…地味」
この4つは、そのまま作るべきものの仕様になりました。無限に遊べて・読みやすくて・迷わず・カッコいいクロスワード。こうして生まれたのが「クロスワードGo」です。課題を聞き出し、解くべき形に翻訳する——これは、受託開発でお客様の“ふわっとした要望”を仕様に落とすときと、まったく同じ作業でした。
「無限に遊べる」は、こう実現した
普通のクロスワードアプリは「誰かが作った問題」を収録しています。だからいつか遊び尽くして終わり。母の「もう遊べないの?」は、ここに突き当たっていました。
クロスワードGoは違います。約1万語のことばデータベースから、アプリが毎回その場で盤面を自動で組み立てる仕組みにしました。単語が交差する位置に語を足していき、毎回ちがう形・ちがう言葉の盤面ができあがります。だから、解いても解いても新しい問題が出てくる。母が一番喜んだのが、この“終わらない”ところでした。
💡 発注者の方へ:「コンテンツを作り続けないと飽きられる」というアプリ運営の悩みは、自動生成という設計で根本から解けることがあります。私たちは「人が作り続ける」前提を疑い、仕組みで解けないかをまず考えます。
地味になりがちなクロスワードを、“遊びたくなる”見た目に
クロスワードは、どうしても見た目が地味になりがちです。そこで人気ゲーム『ペルソナ5』のミニゲームに登場するクロスワードの、赤×黒のスタイリッシュな世界観を参考にデザインしました。「脳トレ=地味」というイメージを、触りたくなるUIで塗り替える狙いです。
中身の面白さにもこだわりました。各問題には2種類のヒントを用意しています。たとえば答えが「ネコ」なら、やさしい説明は「ニャーと鳴くペットの代表」、なぞなぞ風は「気まぐれで、液体のようにどこにでも収まる同居人」。さらに正解すると、その言葉のちょっといい解説文が出ます。遊びながら「へぇ」となる、語彙パズルとしての楽しさを大切にしました。
“使う人”目線で削った、ストレス
カッコよさと同じくらい力を入れたのが、母がストレスなく遊べることです。
- 縦持ち・片手で遊べる
- 文字キーは大きく、読みやすいフォント
- 答えの欄だけが正解判定の対象。ほかのマスは自由に書き込んでOK。だから「正解しないと先に進めない」というイライラがありません
- 「ヒント(1マス開示)」で、いつでも助けを呼べる
特に3つ目は、開発の途中で母の声を聞いて入れた変更です。多くのパズルゲームは「全部のマスを正しく埋めないと進めない」作りですが、それだと手が止まったときにストレスになる。判定するのは答えの欄だけにすることで、気楽に書き込みながら進められるようにしました。
💡 発注者の方へ:使い心地は、最後の細部で決まります。私たちは「仕様通り動く」で満足せず、実際に使う人が引っかかる場所を見つけて削るところまでを開発と考えています。
実は、これ“1日”で作りました
このゲーム、企画から形になるまで実質1日です。種明かしをすると、AI(Claude)を使ったバイブコーディングという作り方で、デザイン・プログラム・約1万語のことばデータまで一気に作り上げました。ただ速いだけでなく、「壊れない品質」を保つ工夫も同時に行っています。
その“速さと品質を両立させる進め方”は、別の記事で詳しく解説しました。アプリ開発・試作にご興味のある方は、ぜひこちらもどうぞ。
「こういうもの、うちでも作れる?」
クロスワードGoは私たちの自社プロダクトですが、この“作り方”はそのままお仕事にお持ちできます。
- アイデアを、まず動く試作で見たい(企画の検証を、安く・早く)
- スマホ向けのゲームやアプリを立ち上げたい
- 既存サービスに“遊び”の要素(ゲーミフィケーション)を足したい
- 大量のコンテンツやデータを、品質を保って用意したい
「ふわっとした要望を、形にして見せる」ところから得意です。母の「遊べるやつ作って」を1日でゲームにしたように、御社の「あれ作れない?」も、まずは形にしてご提案します。お気軽にご相談ください。


